レイドック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/19 21:49 UTC 版)
『レイドック』(LAYDOCK)とは、T&E SOFTが開発、発売したコンピュータゲーム。ゲームジャンルとしてはシューティングゲームに当たるが、レベルなどロールプレイングゲームとしての要素も含む。
二人同時プレイ可能な縦スクロール型シューティングゲームであるが、後のタイトルでは横スクロール面も追加されている。
基本ルール
操作は8方向移動+メインショットと、「オプションウェポン」(後述)と呼ばれるサブショットの発射。
自機は敵弾や敵本体・障壁などの障害物との接触や、一部地上物の破壊によってシールドエネルギーが減少していく。シールドエネルギーは特定の地上物を破壊する事で上昇する。エネルギーを全て失うとゲームオーバーとなる。二人同時プレイ時は二機ともやられた時点でゲームオーバーとなる。途中参加やステージ途中でのコンティニューはできない。
二人同時プレイ時は「ドッキング」(後述)を行う事により、片方が操縦とメインショットの発射、もう片方がオプションウェポンの発射を担当する。
各ステージラストに控えるボスキャラを倒すとステージクリアとなる。
ステージクリア時の敵撃墜率により自機のレベルがアップし、一定レベルに達すると新しい武器が使用できる様になる。自機のレベルは、パスワードあるいはディスクへ保存する事で次回プレイ以降も保持される。
ドッキング
二人同時プレイ時に両機のシールド値が一定以上あると(「スーパーレイドック」以降はドッキングエネルギーが一定値まで貯まると)プレイヤー機同士が合体(ドッキング)し、ショットが強化され、強力なオプションウェポンを使用する事が出来る。
ドッキングには縦方向と横方向の二種類があり、それぞれ別のオプションウェポンを割り当てられる。
シールド値が一定値まで減少するとドッキングが強制解除される(スーパーレイドック以降は被ダメージによりドッキングエネルギーがゼロになると強制的に合体が解除される)。
ドッキングすると両機のシールド値が平均化されるため、シールド値が多いプレイヤーが少ないプレイヤーにシールドを分け与えることができる。
シリーズ作品
レイドック
| ジャンル | シューティングゲーム |
|---|---|
| 対応機種 | MSX2 FM77AV MZ-2500 |
| 開発元 | T&E SOFT |
| 発売元 | T&E SOFT |
| デザイナー | 中島健二 |
| プログラマー | 細川勝男 |
| 音楽 | 東芝EMI |
| 人数 | 1 - 2人 |
| 発売日 | [MSX2] 1986年1月22日 [FM77AV] 1986年11月 [MZ-2500] 1986年11月 |
ハードウェアによる縦スムーススクロール機能を持つ機種で発売された。二人プレイ時においてプレイヤー同士が合体すると、メインウェポンの強化と複数オプションウェポンの選択・使用が可能となる。このシステムは続編にも継承されている。
「魅せてあげよう、1ドットのエクスタシー」のキャッチコピーは、MSX2のVDPには、スプライトの衝突判定が機能として存在し、表示位置の比較ではなく、ドット単位での移動、描画、衝突判定が可能だった事を示している。そのため、移植された機種ではそのコピーは使われなくなった。
最初に発売されたMSX2版は、国内版はディスクが1DDでタイトル画像(タイトルCG)が収まらなかったため、CGのみを収めたカセットテープが付属した。その後ソニーから発売された海外版と、ソフトベンダーTAKERUで販売されたものは、ディスクが2DDに変更されたためタイトル画面もディスクに収録されカセットテープは付属しなくなった。
スクロールに伴いスプライトを非表示にする座標にスプライトが置かれることで、キャラクターが消える瞬間が発生する。
オープニングデモでは、PSGによる1BitPCMでの音声合成を駆使し、無線交信を再現している。この際、海外版ではタイトルCGが表示されるが、国内版はブランク画面に音声のみが再生される。 なお、このゲームでのメニュー画面のウィンドウ処理はハードウェアが有する描画プライオリティー機能によるものではなく、データも保持したマルチウィンドウとして実装されている[1]。
MSX2版では戦闘中、シールドエネルギー残量が表示されず、シールド残量が1000を割ると自機が点滅し始め、さらに減少すると点滅のスピードが速くなりゼロになるとゲームオーバーになる。二人プレイの場合は両プレイヤーのシールドの合計が1000を割るとドッキングが不可能になる。
後に移植された2機種版ではMSX2版の内容に加え、画面右端にインフォメーションボードの追加(点数、使用中オプションウェポン名称、プレイヤーの残シールド量などを表示)、FM音源に対応したBGMの追加、一周(6ステージ)ごとのアニメデモ(内容は周回が進んでも変わらないが、両機種で異なる)の追加などがなされた。 当たり判定については、敵、自機に等しく、敵キャラクタもまた、障害物に衝突した場合は破壊される。
FM77AV版はその強力なCPU処理能力と画像表示機能をハード的に補助する周辺回路であるグラフィックスサポートにより、表示色、解像度共に最も高い仕上がりになっている。反面、登場キャラクターが多いシーンでは処理落ちも見られる。また、オープニングデモの音声合成はオミットされた。
MZ-2500版は、4096色パレットボードに対応するが320✕200ドット16色の描画である。ハードウェアによるスムーススクロールこそあるものの、スプライト機能を有しないMZ-2500では3ドットの単位でキャラクタは描画、判定される。MZ-2520では動作しない。有志がMZ-2500版をX68000に移植したものも存在する。
スーパーレイドック ミッションストライカー
| ジャンル | シューティングゲーム |
|---|---|
| 対応機種 | MSX X1 |
| 開発元 | T&E SOFT |
| 発売元 | T&E SOFT |
| 人数 | 1 - 2人 |
| 発売日 | [MSX] 1987年7月 [X1] 1987年12月 |
ハードウェア縦スクロール機能を持たない機種で発売。8ドットスクロール。キャッチコピーは「更にS・U・P・E・R」。サブタイトルの「ミッションストライカー」は公募により採用された。
レイドックからBGMや面構成、演出が強化され、前作FM版およびMZ版から採用されたインフォメーションボードが本作にも実装された。また、プレイ内容による難易度調整も実装されている。
MSX版は2MbitROMカートリッジを採用したがバッテリーバックアップ機能は搭載されておらず、セーブはパスワード方式である(レベルと装備のみ)。またMSX版のみ、モデムを使用して全国のプレイヤーとハイスコアを争う事が出来るネットワークバージョンが存在し、京都の通信事業者・日本テレネット[2]から発売された。
X1版では、オープニングデモのアニメーションが大幅に追加され、搭乗者の乗り込みシーン、自機の発進シーンなどが追加されている。またFM音源にも対応しており、その際PSGは効果音のみに用いられる。
X68000版も発売予定だったが、写真が一度雑誌に掲載されたまま延期が続き機を逸して開発中止となった。X1版を独自に移植したものも、スクリーンショットは公開されたもののプログラムの公開などは行われなかった。
2025年12月11日よりNintendo SwitchのEGGコンソールの1作品としてMSX版が配信開始[3]。
レイドック2 LAST ATTACK
| ジャンル | シューティングゲーム |
|---|---|
| 対応機種 | MSX2+ |
| 開発元 | T&E SOFT |
| 発売元 | T&E SOFT |
| 人数 | 1 - 2人 |
| 発売日 | 1988年11月19日 |
MSX2+本体と同時発売。キャッチコピーは、「これは、最大最後の戦いの記録である」。販売元は松下電器産業株式会社・パナソフトセンターでパッケージに「Panasoft」のロゴ記載あり。
FM音源対応。MSX2+の自然画モード(SCREEN 12)に対応したタイトルグラフィックが2枚収録されている(うち一枚は後述する裏技で見られる)。またステージ中間のアニメデモも強化された。
対応ハードがハードウェア縦横スクロール機能を実装した事を受け、横スクロール面が追加された。これに加え、単純な縦横のみならず斜め方向にもスクロールする。またこのスクロール機能を生かし、BGで描かれた複数画面を占有する巨大ボスキャラクターが複数登場する。
メインショットとオプションウェポンの発射が1ボタンに統合され、もうひとつのボタンはオプションウェポン選択ボタンとなり、一人プレイ時でもステージ途中で全オプションウェポンが選択できる様になった。二人同時プレイのドッキング時はオプションウェポンの性能が強化される。
機種チェックを行っていないためMSX2でも動作するが、自然画モードのグラフィックは色化けして表示され、横スクロールステージがスクロールせずに裏画面の書き換えのみが表示される。
あーぱーみゃあどっく
| ジャンル | シューティングゲーム |
|---|---|
| 対応機種 | MSX2 MSX2+ |
| 開発元 | T&E SOFT |
| 人数 | 1 - 2人 |
| 発売日 | [パナ・アミューズメントコレクション] 1989年3月18日 [MSX・FAN] 1991年11月号付録 |
レイドックシリーズのパロディ版。元々イベント用として公開されたタイトル。パナ・アミューズメントコレクションに収録されて市販され、その後『MSX・FAN』の付録ディスクにも収録された。FM音源・PSG両対応で、それぞれ専用のBGMが用意されている。
基本的なゲーム内容はレイドック2をベースとし、ゲームの舞台を当時T&E SOFTの本社屋があった愛知県名古屋市としている。縦横スクロール面各1ステージが収録されていて、縦スクロールステージはMSX2/2+兼用、横スクロールステージはMSX2+専用となっている。
キャラクターはデフォルメされ、また敵キャラクターは名古屋を中心とした愛知県に縁のあるキャラクターに変更されている。一例として敵キャラクターはエビフライ、コアラ(名古屋市の東山動植物園は日本で初めてコアラを招致した)、大須ういろの提灯マーク、デポちゃん(かつて名古屋で開催された世界デザイン博覧会のマスコットキャラ)、タコ(日間賀島の名物)など。背景は名古屋テレビ塔、サカエチカ、名古屋市営地下鉄東山線栄駅ホーム、名古屋市交通局5000形電車車両など。自機のオプションウェポン名は「キシメン」「ウイロー」といった当地の名産品の名前。ステージボスは縦横ステージとも名古屋城となっている。
一人プレイではジョイスティックが使用できず、二人同時プレイ時の2プレイヤー側のみスティック使用可能という仕様になっていたが、プロジェクトEGG版では両プレイヤーともジョイスティックが使えるようになっている。
オプションウェポン
シリーズ共通の要素として、敵を破壊していくとステージクリア後に自機のレベルがアップし、以下の様な武装が追加される。
レイドックでは単独プレイ時はオプションウェポンが最初はBULLPUPに固定されるが、自機が一定のレベルに達するとステージ開始時に任意に選択できるようになる。
スーパーレイドックでは単独プレイ時、ステージ開始前に一部のウェポンから任意に選択できるが、ステージ途中では変更できない為、ボスが地上物の場合対地ミサイルを選択しないとクリアできない(レイドックと違ってボスが逃げない)。
レイドック2ではステージ途中でもウェポンをボタン押下で切り替えられる様になった。
備考
- 3作品とも全ステージクリア後にパスワードが表示される。ゲーム販売当時、このパスワードをマニュアル付属の申請用紙に書き写してT&E SOFTに送付すると、シリアルナンバー入りの階級証(プラスチックカード)がプレゼントされた。クリア時の自機レベルに応じて、宙軍大佐・中佐・少佐といった専用の階級証があった。
- レイドック及びスーパーレイドックのタイトル画面で流れる、本部とプレイヤー機との交信音声を演じたのは、ビーピーエス社のヘンク・ブラウアー・ロジャースとコンラッド・T・小沢である。
- MSX版スーパーレイドックを起動する際、予めスロット2にMSX版DAIVAのROMカートリッジを差し込んでおくと、特定のステージ開始時に『DAIVA・アスラの血流』の主人公ラトナ=サンバが登場し、攻略のヒントをくれる。
- スーパーレイドックのシーン5ボスにて、画面の左右端を対地ミサイルで撃つと「ふ(実際には●に白抜き文字の“ふ”)」の文字が出現し、空中敵が出現しなくなる。この文字は、当時T&E SOFTに在籍していた開発スタッフ・山本哲也のニックネーム「山本風太郎(風太郎の「ふ」を取って、◯の中に「ふ」の一文字で表していた)」に由来する。
- レイドック2のエリア2・シーン2にはエリア1の様な巨大ボスが存在せず、同ゲームのサントラにはこのシーン用に用意されたと思われる未使用楽曲が収録されている。
脚注
出典
- ↑ ハイドライドII 解答集内の記述。
- ↑ “企業情報 | 日本テレネット株式会社”. 2020年6月26日閲覧。
- ↑ 簗島 (2025年12月11日). “「EGGコンソール スーパーレイドック ミッションストライカー MSX」本日配信。1987年にT&E SOFTから発売されたSTG”. 4Gamer.net. Aetas. 2025年12月12日閲覧。
- ↑ 簗島 (2026年5月21日). “「EGGコンソール レイドック2 LAST ATTACK MSX2+」,本日配信。T&E SOFTのシューティングゲーム「レイドック」シリーズ完結編が復刻”. 4Gamer.net. Aetas. 2026年5月22日閲覧。
外部リンク
固有名詞の分類
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