企業の非連続な成長を遂げるための強力な切り札であるM&A。ですが、実際には失敗が後を絶ちません。現場を知るIGPIのプロフェッショナルが、失敗の理由と成功のカギを解き明かします。
1. なぜ従来のDD・PMIは機能不全に陥るのか M&Aは、企業が非連続な成長を実現するための最も強力な手段のひとつである。ただし、大型案件であればあるほど、ディール完了の瞬間こそが「本当の仕事」の始まりである。デューデリジェンス(DD)で描かれたシナジー仮説が、Post-Merger Integration(PMI)の段階で瓦解するケースは、国内外を問わず後を絶たない。 その根本原因のひとつは、DDとPMIが「分断されたプロセス」として設計されている点にある。これは、
1. IGPIのM&Aと経営の経験 経営共創基盤(IGPI)ではその前身ともいえる産業再生機構*から数えれば20年以上にわたって、日本企業のM&AとPMI(経営統合)を見てきた。IGPIグループの日本共創プラットフォーム(JPiX)では、複数のバス会社、モノレール、空港から製造業、ホテルや外食産業まで幅広くプライベートエクイティ投資を行い、ファンドのように売却することなく事業経営を続けてきた。グローバルに目を向ければ、シンガポールオフィスや上海オフィスではM&Aのご相談も多
既存事業の深化と新規事業の探索の「両利きの経営」はなぜ重要なのか、いかに実現すべきか。IGPIのプロフェッショナルが執筆した記事をまとめました。
「両利きの経営」が語られるようになって久しい。両利きとは、探索か深化かの二者択一ではなく、既存事業の競争力を磨き上げながら(深化)、将来の成長領域に挑戦し続ける(探索)という同時並行の営みである。ただ し探索は本質的に不確実で、成功確率が高い活動ではない。だからこそ探索を継続するためには、深化によって足元の稼ぐ力──すなわち原資と時間を確保できているかが問われる。 この稼ぐ力が弱まると、未来投資の余力が削られるだけでなく、既存事業の前提変化への感度も鈍る。競争力の低下は
なぜ新規事業は、優秀な人材と、合理的な意思決定のもとで失敗するのか。両利きの経営の重要性は広く知られている。しかし現実には、多くの企業で探索は早期に打ち切られ、既存事業の論理に飲み込まれていく。問題は「実行力不足」や「覚悟の欠如」ではない。不確実性を前に、早く答えを出し、整理し、説明責任を果たそうとする…、一般に優秀とされる経営判断そのものが、探索を窒息させている。両利きの経営において経営者に求められるのは即断即決の狭義の決断力だけではなく、不確実な状態に耐え、拙速な結論を
1. 探索とは何か —―定義と誤解の整理 経営の世界ではすっかり馴染み深くなった両利き経営の「探索」だが、まずはその意味を再確認したい。「探索」とは、自社にとって未踏の領域を切り拓き、継続的に磨き上げて新たな収益の柱を生み出す活動である。単なる既存の製品やサービスの改良、例えば、サービス提供に少しデジタル要素を足すことや従来の仕組みに「AI搭載」というラベルを付け替えるような対応は、マーケティング効果はあるものの新たな収益の柱を生み出す「探索」には当たらない。 一方
1. はじめに 多くの経営者の間で「両利きの経営」という概念が、経営のあるべき姿として語られるようになって久しい。スタンフォード大学経営大学院のチャールズ・A・オライリー教授、ハーバードビジネススクールのマイケル・L・タッシュマン名誉教授の共著として『両利きの経営』(2019年東洋経済新報社)という本の日本語訳が出版されると、瞬く間に経営に関する重要な指針となった。既存事業の競争力を極限まで高める「深化」と、新たなる事業領域を確立する「探索」の両立という一見すると当たり前のこ
IGPI公式サイト
論考のほか、プロジェクト事例等を掲載。IGPIについてより深くお知りになりたい方はぜひご覧ください。
IGPIグループ公式サイト
コンサルティングのほか、インキュベーションやマジョリティ投資などグループ各社の活動をご紹介。